米国防権限法 鮮明な対中姿勢

(VOVWORLD) - こうした国防権限法は、トランプ政権の国防強化策を示すものであり、中国をけん制するものであると見られています。

アメリカのトランプ大統領は、今年度の国防予算の大枠を定める国防権限法案に署名し、政府機関で中国の大手通信機器メーカーの製品使用を禁止する条項を盛り込むなど、中国への対抗姿勢を鮮明にしています。

米国防権限法 鮮明な対中姿勢 - ảnh 1国防権限法に署名したトランプ大統領(写真:AP) 

米軍再建への大きな投資

同法は2019会計年度に戦費を含め計7160億ドル(約80兆円)の国防予算を計上するものです。アメリカのメディアによりますと、国防予算はこの9年間で最大規模となります。

トランプ大統領は、東部ニューヨーク州のフォートドラム陸軍基地で大勢の兵士を前に署名式を開き、巨額の予算確保で「米軍再建」を重視する姿勢を強調しました。演説でトランプ氏は今回の予算で77機のステルス戦闘機F35など最新鋭の戦闘機や軍艦を導入し、兵力を増強すると表明しました。核戦力の近代化やミサイル防衛(MD)の強化を図ると指摘し、「米国は平和国家だが、戦いを余儀なくされれば必ず勝つ」と述べました。また、兵士の給与や福利厚生を充実させるとアピールしました。

対中強硬姿勢

トランプ政権は2017年12月に中国を「競争国」と規定する国家安全保障戦略を策定しており、今回の国防権限法でも貿易問題やベトナム東部海域(南シナ海)問題で中国への厳しい姿勢を際立たせました。さらに、中国情報通信大手の機器使用を禁じたほか、中国などへの技術流出を食い止めるため、海外企業の投資を審査する「対米外国投資委員会」(CFIUS)の権限を強める規定も盛り込みました。

多国間軍事演習である(リムパック)「環太平洋合同演習」については、中国がベトナム東部海域の軍事拠点化をやめない限り、参加を禁じると明記しました。

中国外務省の報道官は14日、アメリカが政府調達の対象から中国製品を締め出す内容などを盛り込んだ国防権限法を成立させたことを受けて談話を発表し、「強烈な不満」を表明しました。
談話は同法が「対中関係に否定的な内容を含む」と指摘し、「中米関係と両国の重要分野における協力を損なわないよう、対中関係にマイナスになる条項を実施してはならない」と強調しました。

こうした国防権限法は、トランプ政権の国防強化策を示すものであり、中国をけん制するものであると見られています。

ご感想

他の情報